浮気調査の費用が払えない|分割・後払い・費用を半額にする現実的な方法
見積書に書かれた金額を見て、そっと閉じた。あの数字を前にして「うちには無理だ」と思ったあなたに、探偵が自社サイトでは書きたがらない話をします。
分割払い・クレジットカード・後払いに対応する事務所はあります。ただし、それは「払えない金額を、払える形に切り分ける」だけの話です。総額は減りません。むしろ手数料の分だけ増えます。
費用そのものを下げたいなら、方法は事実上ひとつしかありません。調査時間を減らすことです。探偵料金は、ほぼ「調査時間 × 調査員の人数」で決まります。単価は交渉できません。動かせるのは時間だけです。
そして調査時間を決めているのは、探偵ではなくあなたが持っている情報の精度です。「いつ動くか」が分かっていれば20時間の調査は10時間で終わり、費用は半分になります。分かっていなければ、空振りのたびに十数万円が消えます。
借金をしてまで依頼することは、おすすめしません。証拠が取れなければ、その借金だけが残ります。この記事では、その順番で正直に書きます。
浮気調査の総額は、50万円前後が最頻値です(目安。事務所により異なります)。子どもの学費、家のローン、自分名義の預金の残高。それを頭の中で並べたとき、この金額はあまりに重い。「証拠がほしい」と「そんなお金はない」のあいだで、身動きが取れなくなっている方が本当に多くいます。
世の中には「分割払いに対応しています」と書いた記事があふれています。しかし、それだけでは何も解決していません。この記事は、その手前にある費用の決まり方そのものから説明します。
- 探偵料金がなぜ50万円になるのか、そのメカニズムと「下げられる部分」がどこか
- 調査日を絞ることで、実際にいくら削れるのか(実数で計算します)
- 分割・後払いを選ぶ前に、必ず確認しなければならない条件
- 結論:分割払いを考える前に、まず「調査時間そのものを減らす」ことを考えてください
- 探偵料金の仕組みを理解する——料金はほぼ「時間 × 調査員の人数」で決まる
- 料金体系3種類の違いと、向いている人・向いていない人
- 【最重要】費用を半分にする唯一のレバー——調査日を絞ること
- 調査日を絞るためにあなたができること(無料でできる最強の準備)
- 費用を下げる方法その2:必要な証拠の「回数」を先に確定させる
- 費用を下げる方法その3:相見積もりを取る
- 【注意】安すぎる見積もりは危険信号
- それでも足りない場合:分割払い・クレジットカード・後払い
- 【正直に書く】借金をしてまで依頼すべきか
- 予算が少ないことは、正直に伝えていい
- 調査費用は慰謝料請求で一部回収できる可能性がある
- 分割払いの手数料 vs 回収の期待値——掛け算で確認する
- よくある質問
- まとめ
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01結論:分割払いを考える前に、まず「調査時間そのものを減らす」ことを考えてください

「浮気調査 費用 払えない」と検索したあなたが、たどり着いた記事の多くは、たぶんこう書いてあったはずです。「多くの探偵事務所はクレジットカードの分割払いに対応しています」「自社分割に応じてくれる事務所もあります」。これは事実です。嘘ではありません。
しかし、この答えには決定的な欠落があります。分割払いは、支払いの形を変えるだけで、支払う総額を1円も減らしません。それどころか、分割手数料や金利が乗る分、最終的に払う金額は増えます。50万円が払えない人が、手数料込みで55万円を払うことになる。問題は解決していません。先送りされただけです。
なぜ探偵は「費用を下げる方法」を書かないのか
探偵事務所の公式サイトには、料金表があり、支払い方法の案内があり、無料相談の電話番号があります。しかし、「調査時間を減らせば費用は半分になります」とはっきり書いたページを見た記憶は、おそらくないはずです。
理由は単純です。探偵の売上は「調査時間 × 単価」で立っています。読者に調査時間を減らす方法を教えることは、自分の売上を半分にすることと同義です。だから書かない。書けない。悪意ではなく、構造の問題です。
このサイトは探偵事務所ではありません。だから、読者の利益と業者の売上が対立する場所でも、読者の側に立って書けます。そして、この記事でいちばん価値のある情報は、そこにあります。
02探偵料金の仕組みを理解する——料金はほぼ「時間 × 調査員の人数」で決まる
費用を下げるには、まず費用がどう積み上がっているかを知る必要があります。ここを飛ばして値引き交渉をしても、まず通りません。
浮気調査の料金は、驚くほど単純な式でできています。調査時間 × 調査員の人数 × 単価 + 諸経費。これだけです。業界調査によれば、調査員2名体制で1時間あたり1.5万〜2.5万円という価格帯が、全体のおよそ64%を占めるとされています(目安。事務所により異なります)。
なぜ「2名」なのか——ここは削れない
「調査員を1名にすれば半額では」と考えたくなります。しかし、尾行は原則として2名以上でなければ成立しません。対象者が角を曲がる、電車に乗る、店に入る。1名だと、その瞬間に追跡が切れるか、あるいは同じ人間がずっと後ろにいることになり、気づかれます。1名体制を安く提示する事務所は、失尾(見失うこと)と発覚のリスクを、あなたに転嫁していると考えたほうが安全です。
つまり、人数は下げられません。単価も、相場の枠を大きく割ることはありません。残された変数は「時間」だけです。
図1:探偵料金は3つの変数の掛け算です。人数と単価は構造上ほぼ固定されています。つまり、費用を下げるために触れる場所は「調査時間」のひとつだけ。ここを理解すると、やるべきことが1つに絞られます。
パック料金の相場(目安)
時間をあらかじめまとめて購入する「パック料金」の相場は、次の通りです。ここでも、金額が時間に正比例していることが分かります。
| パックの時間数 | 総額の目安 | 実質の1時間単価 | 想定される調査日数 |
|---|---|---|---|
| 20時間パック | 35〜50万円 | 約1.75〜2.5万円 | 4〜5日程度(1日4〜5時間) |
| 30時間パック | 60〜70万円 | 約2.0〜2.3万円 | 6〜8日程度 |
| 40時間パック | 80〜90万円 | 約2.0〜2.25万円 | 8〜10日程度 |
03料金体系3種類の違いと、向いている人・向いていない人
探偵の料金体系は、大きく3つに分かれます。どれが得かはあなたの情報量によって変わります。ここを取り違えると、同じ調査でも支払額が数十万円変わります。
図2:3つの料金体系。情報を多く持っている人ほど左(時間料金型)が得になり、情報がない人ほど右(成功報酬型)に流れがちです。ただし成功報酬型は、成功したときの単価が高く設定されているのが通常です。
時間料金型:情報を持っている人だけが得をする
実際に稼働した時間分だけ支払う方式です。「水曜の夜、19時から23時のあいだ」と分かっていれば、4時間の調査で終わることもあります。調査員2名で1時間2万円なら、4時間で8万円。50万円が8万円になるのは、この型です。
ただし裏返しがあります。狙いが外れて延長を重ねると、費用は青天井に伸びます。この型は、情報を持っている人には最も安く、持っていない人には最も高くつきます。
パック料金型:総額が読める代わりに、余った時間は戻らない
20時間、30時間といった単位で時間をまとめ買いする方式で、最も一般的です。1時間あたりの単価は割安になり、総額が事前に確定するという安心があります。
注意点は、使い切らなかった時間が返金されるとは限らないことです。10時間で証拠が取れても、20時間パックの代金を払うことになる契約もあります。契約前に「残時間の扱い」を必ず確認してください。
成功報酬型:「成功の定義」次第で、いちばん高くなる
「証拠が取れなければ料金はいただきません」と聞くと、最も安全に見えます。しかし、ここには2つの落とし穴があります。
1つ目は、着手金・経費は成功報酬とは別に発生することが多いこと。「成功報酬型=完全無料の可能性がある」ではありません。2つ目、そしてより深刻なのが、「成功」の定義です。「対象者と第三者が一緒にいる写真」で成功とする事務所と、「ホテルへの入室と退出の2点が揃った写真」で初めて成功とする事務所では、あなたが受け取るものがまったく違います。前者の定義だと、慰謝料請求に使えない写真に対して成功報酬を払うことになりかねません。
04【最重要】費用を半分にする唯一のレバー——調査日を絞ること

ここが、この記事の核心です。他のどのセクションを読み飛ばしても、ここだけは読んでください。
浮気調査で最もお金が消えるのは、追加料金でも、悪質業者でもありません。空振りです。対象者が浮気をしなかった日に調査員を動かすこと。これが、あなたの財布に対する最大の脅威です。
空振り1回で、いくら消えるのか
実数で計算します。調査員2名体制、1時間あたり2万円(相場の中央付近)とします。1回の調査は、対象者の退勤から帰宅までを想定して5時間。
2万円 × 5時間 = 10万円。これが、対象者がまっすぐ帰宅した日に消える金額です。ここに車両費・交通費などの諸経費が乗れば、実際には十数万円が1日で消えます。証拠は1枚も残りません。
つまり、20時間パック(35〜50万円)は、空振りを2回やった時点で半分が消えます。3回やれば、証拠を掴む前にパックが尽きます。そして延長料金の話が始まります。
図3:同じ「不貞の証拠2回分」を得るのに、かかる費用が倍違います。差を生んだのは探偵の腕ではなく、依頼者が持っていた情報の精度です。金額はすべて相場に基づく試算であり、実際の費用は事務所・地域・時間帯により異なります。
探偵の腕より、依頼者の情報が効く
誤解されがちですが、優秀な探偵とは「どんな日でも証拠を取れる探偵」ではありません。浮気をしていない日に尾行しても、写るのは通勤路と自宅の玄関だけです。証拠が存在しない日には、どんな名探偵でも証拠を取れません。
調査の成否を分けているのは、「対象者が浮気をする可能性が高い日に、調査員が張っていたかどうか」。そして、その日を指定できるのは、探偵ではなく、対象者と同じ家に住んでいるあなただけです。
05調査日を絞るためにあなたができること(無料でできる最強の準備)
では、具体的に何をすればいいのか。答えは、依頼前の1ヶ月間、相手の行動を記録することです。費用はかかりません。必要なのはスマホのメモアプリか、手帳1冊だけです。
そして、これが本記事で紹介するあらゆる節約手段の中で、最も費用対効果が高い方法です。分割払いの交渉に費やす時間より、1ヶ月の記録のほうが、はるかに大きな金額を動かします。
記録すべきは、この4つだけ
この4項目を1ヶ月続けるだけで、多くのケースで「怪しい曜日」は2つ以内に絞れます。20時間の見積もりが10時間になれば、それだけで20万円前後が浮く計算です。記録シートの具体的な作り方と、逆に「やってはいけない記録の取り方」については、探偵に依頼する前の行動記録の作り方で詳しく解説しています。調査日を絞る作業は、そこから始まります。
06費用を下げる方法その2:必要な証拠の「回数」を先に確定させる
費用が膨らむ第二の原因は、「どこまで撮れば終わりなのか」が決まっていないことです。ゴールが定まっていない調査は、いつまでも終わりません。そして時間は課金され続けます。
「証拠は多いほどいい」は、正しくもあり、危険でもある
不貞行為の立証には、一般に「ホテル等へ入った時点と出た時点の2点が写っていること」が重要とされます。そして、その記録が複数回あるほど、単発の偶然という反論を封じやすくなります。つまり証拠は多いほど強い。これは事実です。
しかし、証拠1回分の追加には、調査時間の追加、すなわち十数万円の追加費用がついてきます。「多いほど安心だから、念のためもう1回」を繰り返すと、パックは尽き、延長料金が積み上がります。「安心」は、1回ごとに十数万円で売られていると考えてください。
回数を決めるのは探偵ではなく、弁護士
では、何回分が必要なのか。この問いに答えられるのは、探偵ではありません。その証拠を使って何をするのか——離婚するのか、しないのか。慰謝料を請求するのか。相手方が争ってきそうか。それによって必要な証拠の水準は変わります。そして、それを判断するのは法律の専門家の領域です。
多くの弁護士事務所が初回無料相談を用意しています。探偵より先に弁護士に相談し、「私の目的なら、証拠は何回分あれば足りますか」と聞く。この順番を守るだけで、過剰な調査を防げます。
図4:費用を抑える人と抑えられない人を分けるのは、この順番です。1と2を飛ばして4に進むと、情報がないぶん探偵は余裕を持った時間数を提示せざるを得ず、見積もりは自動的に膨らみます。
07費用を下げる方法その3:相見積もりを取る

同じ条件を提示しても、事務所によって見積額は変わります。何十万円という買い物で、1社だけの言い値を受け入れる理由はありません。2〜3社の無料相談を受け、同じ条件で見積もりを出させる——これが3つ目の節約手段です。
「同じ条件で」がすべて
相見積もりで最も大切なのは、各社に同一の条件を渡すことです。条件がバラバラだと、金額を比べても意味がありません。次の5点を、紙に書いて全社に同じ文面で伝えてください。
| 伝える項目 | 伝え方の例 |
|---|---|
| 調査したい曜日・時間帯 | 「水曜と金曜の18時〜23時を想定しています」 |
| 必要な証拠の回数 | 「不貞行為の証拠を2回分、と考えています」 |
| 対象者の移動手段 | 「通勤は電車。週末は自家用車を使います」 |
| すでに持っている情報 | 「1ヶ月分の帰宅時刻の記録があります」 |
| 希望する総額の上限 | 「30万円以内で収めたいと考えています」 |
この5点を渡せば、各社は同じ土俵で見積もりを作らざるを得ません。返ってきた金額の差が、そのまま各社の価格差です。無料相談で何を聞き、どう断ればいいのかについては、探偵の無料相談で必ず聞くべき質問と、勧誘されない相談の仕方にまとめています。相見積もりは、そこから始めるのが安全です。
相見積もりを取ること自体が、値段を動かす
「他社さんにも相談しています」と最初に伝えることは、失礼ではありません。むしろ、まっとうな事務所ほど、それを前提に見積もりを作ります。比較されることが分かっている相手に、極端に高い数字は出しにくいからです。
ここまで読んで「一度、相談だけしてみようか」と感じたら
迷っている段階こそ、無料相談で「自分のケースで調査が成立するのか」「今は動くべきか待つべきか」を確かめる価値があります。全国対応・相談は何度でも無料で、契約の義務はありません。話を聞いて、持ち帰って、比較して構いません。
無料相談してみる(24時間受付)相談は無料です。その場で契約する義務はありません。特定商取引法により、断った相手への再勧誘は禁止されています。
08【注意】安すぎる見積もりは危険信号
相見積もりを取ると、必ず1社だけ極端に安い金額を出してくる事務所に出会うことがあります。他社が40万円のところ、15万円。この瞬間、心は決まりかけます。しかし、ここが最も危険な分岐点です。
前のセクションで見た通り、探偵料金は「時間 × 人数 × 単価」でできています。人数と時間が同じなら、他社の3分の1の金額を提示できる根拠は、原則としてありません。にもかかわらず安い数字が出てくるなら、その数字は総額ではないと考えるのが自然です。
あとから積み上がる名目の一覧
相場より安すぎる見積もりを出す事務所が、調査開始後にさまざまな名目で追加料金を請求してくる、という事例が報告されています。実際に使われる名目には、次のようなものがあります。
| 追加請求の名目 | 説明されがちな理由 |
|---|---|
| ガソリン代・車両費 | 「車両を使用したため実費が発生しました」 |
| 交通費・高速代 | 「対象者が遠方へ移動したため」 |
| 深夜手当・早朝手当 | 「22時以降/6時前の稼働は割増になります」 |
| 延長料金 | 「予定時間を超えて対象者が動いたため」 |
| 報告書作成費 | 「報告書は基本料金に含まれていません」 |
| 機材費・諸経費 | 「撮影機材の使用料です」 |
| キャンセル料・解約料 | 「すでに調査を開始しているため」 |
これらを積み上げた結果、最終請求額が当初見積もりの数倍になった、という相談が国民生活センターに寄せられています。探偵業者に関する消費生活相談は、2007年度の1,210件から2016年度には7,660件へと増加したことが報じられており、主要な相談類型のひとつが「高額な解約料を請求された」というものです。
図5:見積書で見るべきは「安いかどうか」ではなく「総額が書いてあるかどうか」です。基本料金しか書かれていない見積書は、金額の天井がない契約書と同じ意味を持ちます。
追加請求トラブルに遭った人が、契約前に確認しなかったこと
トラブルに遭った人の話を逆算すると、共通して確認しなかった項目が浮かび上がります。裏を返せば、これらを確認した人はトラブルを回避しています。
なお、探偵業法は契約前の重要事項説明書面の交付と、契約時の契約書面の交付を業者に義務づけています。書面を渡さない、あるいは説明を省こうとする事務所は、その時点で法律を守っていません。届出番号の確認方法を含む具体的な見分け方は、悪質な探偵の見分け方と契約前に確認する7項目で整理しています。契約書にサインする前に、必ず目を通してください。
09それでも足りない場合:分割払い・クレジットカード・後払い

調査時間を絞り、相見積もりを取り、それでも一括では払えない。そのときに初めて、支払い方法の話になります。順番として、ここが4番目であることを、もう一度確認してください。
実際に用意されている選択肢
分割を選ぶときに、必ず確認する3つの数字
分割は便利ですが、総額は必ず増えます。これは避けられません。だからこそ、次の3つの数字を、契約前に紙の上で確認してください。
たとえば40万円を12回払いにすれば、月々の負担は約3.3万円に見えます。しかし手数料が乗れば総額は45万円前後になり、月々は約3.7万円。この差を「たいしたことない」と感じるか「1年間ずっと重い」と感じるかは、あなたの家計次第です。月額ではなく、総額で判断してください。
10【正直に書く】借金をしてまで依頼すべきか
ここは、探偵事務所のサイトには決して書かれない話です。しかし、書かなければこの記事は不誠実になります。
カードローンや消費者金融でお金を借りて、浮気調査を依頼すること。これは、おすすめしません。
なぜ推奨できないのか——構造を見てください
浮気調査には、避けられない不確実性があります。証拠が取れないことは、実際にあります。対象者がその期間たまたま慎重だった。関係が一時的に途切れていた。そもそも浮気ではなかった。理由はさまざまですが、結果として「50万円を払い、証拠は得られなかった」という結末は、現実に起こり得ます。
このとき、自己資金50万円で依頼した人は、貯金を失います。痛手ですが、生活は続きます。一方、借入50万円で依頼した人は、証拠がないまま、借金と利息の返済だけが残ります。慰謝料は入ってきません。相手はまだ配偶者であり、家計は共有されているかもしれない。返済のために、さらに借りる。ここから先は、家庭問題ではなく債務問題になります。
先に見積もるべきは、費用ではなく「回収可能性」
依頼する前に、冷静に計算してほしいことがあります。それは「証拠が取れたとして、実際にいくら回収できそうか」です。慰謝料の相場は、離婚に至る場合で100〜300万円、離婚しない場合で50〜150万円程度が目安とされます(事案により大きく異なります)。しかし、相場は相場です。相手方に支払い能力がなければ、判決が出ても回収できません。
相手が定職に就いているか。財産があるか。争ってくる可能性はどの程度か。この見積もりを先にしておくと、「調査費用は、回収可能性のある投資なのか、それとも純粋な支出なのか」が見えてきます。生活費そのものが不安な状況で、どこまで踏み込むべきかについては、子供がいて生活費が心配なときに浮気調査を依頼していいのかで、家計との折り合いの付け方を具体的に整理しています。
11予算が少ないことは、正直に伝えていい
多くの方が、無料相談の場で予算を隠します。「安く見られたくない」「相手にされないのではないか」——その気持ちは分かります。しかし、予算を隠すことは、はっきり損です。
予算を伝えると、見積もりの作り方が変わる
思い出してください。調査費用の大半は人件費です。つまり、予算とは「何時間、何人を動かせるか」の指定に他なりません。予算を伝えないまま相談すると、探偵は「確実に証拠を取るための、余裕を持った体制」を前提に見積もりを組みます。それが最も安全な提案だからです。結果、金額は上振れします。
一方、「上限は25万円です」と最初に伝えれば、探偵はその枠内で組める最善のプランを提示することになります。調査日を絞る、調査時間を短くする、証拠の回数を1回に絞る、といった調整が行われます。予算は、制約であると同時に、設計条件でもあります。
| 伝え方 | 探偵側の受け取り方 | 結果 |
|---|---|---|
| 予算を言わない | 確実性を優先した最大構成で提案 | 見積もりが上振れし、払えず終わる |
| 「なるべく安く」とだけ言う | 基準が分からず、標準プランを提示 | 調整の余地が生まれない |
| 「上限25万円」と数字で言う | 枠内で組める最善案を設計 | 実行可能なプランが出てくる |
断られたら、それも情報です
予算を伝えた結果、「その金額ではお受けできません」と言われることもあります。それは失礼な扱いではなく、誠実な回答です。無理な金額で引き受けて、途中で追加請求を重ねる事務所より、ずっと信頼できます。
そして、断られたときこそ聞くべき質問があります。「では、いくらあれば、私のケースは調査できますか」。この一言で、あなたが本当に必要な金額が分かります。その金額と、あなたが用意できる金額の差が、あなたが埋めるべきギャップです。分割を検討するのは、そのギャップの大きさを知ってからで十分です。
12調査費用は慰謝料請求で一部回収できる可能性がある
最後に、希望と、その限界を同時にお伝えします。
浮気調査にかかった探偵費用は、慰謝料請求において損害の一部として認められる場合があります。不貞行為を立証するために調査が必要だったと評価されれば、その費用の一部を相手方に負担させられる可能性があるということです。「50万円は全部こちらの持ち出し」と決まっているわけではありません。
ただし「全額」ではなく「相当な範囲」
ここで期待を膨らませすぎないでください。裁判実務では、調査費用の全額が認められるとは限らず、「相当な範囲」に限定される傾向があるとされています。100万円かけた調査だから100万円が戻る、という単純な話ではありません。必要以上に長い調査、過剰な証拠収集にかかった費用は、「相当性を欠く」として削られる可能性があります。
これは、この記事の主張と一本の線でつながっています。調査時間を絞ることは、支出を減らすだけでなく、「相当な範囲」に収まりやすくすることでもあるのです。必要最小限の調査で得た証拠は、費用面でも法的評価の面でも、あなたに有利に働きます。
証拠が取れなければ、費用は純損失になる
そして、最も冷たい事実を書きます。証拠が取れなければ、調査費用は1円も回収できません。回収の前提は、慰謝料請求が成立することです。請求の前提は、証拠があることです。証拠がなければ、この連鎖は最初の一段で止まります。
だからこそ、費用を抑えることと、証拠を確実に取ることは、対立しません。同じ方向を向いています。調査日を絞れば、費用は下がり、命中率は上がる。準備をせずに依頼すれば、費用は上がり、空振りが増える。この記事が一貫して言っているのは、それだけです。
調査費用を実際にどう請求に組み込むのか、弁護士にいつ・何を渡せばいいのかという実務の流れは、浮気調査から慰謝料請求までの探偵と弁護士の連携で解説しています。回収可能性を先に見積もっておくことが、依頼するかどうかの判断そのものを助けます。
13分割払いの手数料 vs 回収の期待値——掛け算で確認する
最後に、この記事でいちばん言いたいことを、数字で書きます。分割の手数料を払ってでも依頼する価値があるかどうかは、「回収できる見込み額」で決まります。手数料の話と、回収の話は、切り離せません。ところが、この2つを並べて掛け算をした記事を、私たちはほとんど見たことがありません。
理由は単純です。分割を勧めたい側は、回収の現実を語りません。回収の現実を語れる側は、分割の話をしません。だから、この2つは別々の場所に置かれたままになっています。ここで、並べます。
まず、回収の期待値を正確に置く
セクション12で「調査費用は一部回収できる可能性がある」と書きました。では、実際にはいくらなのか。公表されている裁判例を見ると、期待値はかなり低い水準に置くべきだと分かります。
最も重い判断が、東京高等裁判所 令和6年1月17日判決です。原告が支払った調査費用230万5,918円について、その全額が損害と認められませんでした。判決は、配偶者に不貞の疑いが生じた場合に直ちに調査会社の調査を利用することが一般的であるとまでは認められない、として、その費用は不貞行為から通常生ずべき損害にはあたらないと判断しています。原審が認めていた約60万円も、取り消されました。
令和期の東京地方裁判所でも、調査費用の請求が全額否定された例が複数あります(請求額594万円で認容0円、266万円で0円、220万円で0円など)。認められた場合でも、110万円の請求に対し33万円、79万円に対し20万円、49万円に対し10万円といった水準です。実務上の中心値は、おおむね10万〜30万円程度にとどまります。
では、掛け算をします
40万円の調査費用を12回の分割にした場合、手数料が乗って総額は45万円前後になる——これはセクション09で書いたとおりです。ここに、回収の期待値を並べます。
| 項目 | 金額 | 確実性 |
|---|---|---|
| 調査費用(本体) | 40万円 | 確実に出ていく |
| 分割の手数料 | +5万円前後(12回・条件により変動) | 確実に出ていく |
| 支払総額 | 45万円前後 | 確実に出ていく |
| 調査費用の回収(うまくいった場合) | 10万〜30万円 | 不確実。0円の裁判例も複数 |
| 調査費用の回収(証拠が取れなかった場合) | 0円 | — |
左の列は確定した支出、下の2行は不確実な収入です。この非対称が、すべてです。手数料の5万円は、回収できるかどうかに関係なく、必ず出ていきます。一方、回収の10万〜30万円は、証拠が取れ、請求が通り、相手に支払能力があって、初めて現実になります。
つまり、分割手数料の5万円が、回収額の一部を最初から食い潰しているということです。仮に回収が10万円だったなら、その半分は手数料で消えます。回収が0円なら、手数料は純粋な損失です。
「借金をして依頼する」ことの危うさ
この記事はセクション10で、借入による依頼を勧めないと書きました。その理由を、いま数字で言い直せます。
結論:手数料を払う前に、まず調査時間を削る
分割は、総額を1円も減らしません。むしろ増やします。そして増えた分は、回収されないまま出ていきます。この記事が最初から一貫して言っているのは、順番の話です。
①調査日を絞る(費用そのものを下げる)→ ②相見積もりを取る → ③予算の上限を正直に伝える → ④それでも足りないなら、初めて分割を検討する。この順番を守れば、そもそも分割を組む必要がなくなることがあります。20時間パックを10時間に絞れば、支払総額は半分近くまで下がる可能性があります。手数料を払って45万円を12回で返すより、25万円を一括で払えるように設計するほうが、はるかに軽い。
FAQよくある質問
まだ依頼を決めなくて大丈夫です
お金が用意できないから相談もできない、と思う必要はありません。無料相談は、金額を確かめる場です。「予算の上限は◯万円です。この範囲で何ができますか」と聞くだけで、あなたのケースに必要な本当の金額が分かります。分割の可否も、その場で確認できます。話すだけなら費用はかかりませんし、契約する義務もありません。
無料相談してみる(24時間受付)相談は無料です。その場で契約する義務はありません。特定商取引法により、断った相手への再勧誘は禁止されています。
浮気調査の費用が払えないとき、多くの記事は「分割払いがあります」で話を終わらせます。しかし分割は、支払いの形を変えるだけで、総額を1円も減らしません。手数料の分、むしろ増えます。費用そのものを下げる方法は、事実上ひとつだけ。調査時間を減らすことです。
- 探偵料金は「調査時間 × 調査員の人数 × 単価」。人数と単価は動かせない。動くのは時間だけ
- 調査員2名で1時間1.5万〜2.5万円が64%。空振り1日で十数万円が消える
- 依頼前の1ヶ月、帰宅時刻を記録する。曜日が絞れれば20時間が10時間になり、費用は半分になる
- 必要な証拠の回数は、探偵ではなく弁護士に先に確認する。過剰な調査を防げる
- 相見積もりは同じ条件で2〜3社。安すぎる見積もりは、総額ではなく基本料金の可能性が高い
- 分割・後払いは最後の手段。総支払額・実質年率・支払回数の3つを必ず確認する
- 借金をしてまで依頼するのは推奨しない。証拠が取れなければ、借金だけが残る
- 予算は隠さず数字で伝える。予算は制約であると同時に、調査プランの設計条件になる
調査費用は、慰謝料請求で一部を回収できる可能性があります。ただし全額ではなく「相当な範囲」に限られ、そもそも証拠が取れなければ純粋な損失です。費用を抑えることと、証拠を確実に取ることは、対立しません。調査日を絞れば、費用は下がり、命中率は上がる。準備なしに依頼すれば、費用は上がり、空振りが増える。この記事が最初から最後まで言っているのは、それだけです。手元にあるのは、スマホのメモと、1ヶ月の時間。それが、あなたが持っている最も強い節約手段です。
探偵業法(警察庁)、国民生活センターの公表資料、裁判例および弁護士の公開解説を一次情報として確認しながら執筆しています。特定の探偵事務所からの依頼により記事内容を変更することはありません。本記事は情報提供を目的としたもので、法律相談・調査の受託ではありません。個別の判断は弁護士または探偵業届出済の事業者にご確認ください。

