探偵に依頼する前の「行動記録」の作り方|調査の空振りを防ぐ1ヶ月の準備
今すぐ探偵に電話したい気持ちを、いったんだけ止めてください。その1本の電話を1ヶ月遅らせるだけで、支払う金額が数十万円変わることがあります。
浮気調査が空振りする最大の原因は、探偵の技術不足ではありません。対象者の行動パターンを把握しないまま調査日を決めてしまうことです。そして空振りした日も、調査時間としてしっかり課金されます。
探偵の料金は「時間」で決まります。調査員2名体制で1時間あたり1.5万〜2.5万円が相場です。つまり、狙う日を絞れば絞るほど、支払う総額は下がります。
そのために依頼者ができる唯一にして最強の準備が、依頼前1ヶ月の行動記録です。帰宅時間・服装・機嫌・支出を淡々と書き留めるだけで、「怪しい曜日」が浮かび上がります。
この記事は、探偵の公式サイトには基本的に書かれていない内容です。「まず1ヶ月記録してから来てください」と言えば、その月の売上が消えるからです。だから、あなたの側に立って書きます。
スマホを裏返して置くようになった。帰宅が遅い日が増えた。でも問い詰める勇気はないし、確信もない。そんな状態のまま探偵の無料相談に電話しようとして、指が止まっている——この記事は、その指が止まっている場所に向けて書いています。
結論から言えば、今日ではなく1ヶ月後に電話したほうが、あなたは得をします。理由は感情論ではなく、探偵の料金体系という極めて実務的な理由です。
- なぜ調査は空振りするのか、その原因と「空振り1回でいくら消えるか」の実数
- 依頼前の1ヶ月で記録すべき7項目と、見つかっても言い訳できる残し方
- そのまま真似できる記録シートのひな型(曜日・帰宅時間・服装・機嫌・支出の7列)
- 結論:依頼前の1ヶ月の記録が、調査費用を数十万円変える
- なぜ調査は空振りするのか——最大の原因は「調査日の選定ミス」
- 探偵の料金は「時間」で決まる——だから狙う日を絞るほど安くなる
- 記録すべき7項目
- 記録の付け方——スマホのメモでいい。ただし2つのルールを守る
- 【重要】記録は「見つかっても言い訳できる形」で残す
- 1ヶ月でパターンが浮かび上がる——「怪しい曜日」の見つけ方
- パターンが出やすい日・出にくい日
- 探偵に渡すべき情報リスト
- やってはいけない「記録」の集め方
- 記録の期間はどれくらいが適切か
- 記録シートのひな型
- 記録を渡すだけでは足りない——「調査日」を契約書に書かせる
- 記録が武器になるのは、契約書に落ちたときだけ
- よくある質問
- まとめ
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01結論:依頼前の1ヶ月の記録が、調査費用を数十万円変える

浮気調査を検討している人の多くが、こう考えます。「証拠を取るのはプロの仕事だから、私は何もできない。とにかく早く探偵に頼もう」と。この発想は半分正しく、半分だけ、致命的に間違っています。
正しいのは「証拠の撮影はプロの仕事」という部分です。尾行も張り込みも、素人が真似をすればほぼ確実に失敗し、しかも相手に気づかれます。ここは迷わず任せるべきです。
間違っているのは「私は何もできない」という部分です。依頼者にしかできない準備が、たったひとつだけあります。それが行動記録です。探偵は、あなたの配偶者が何曜日に帰りが遅いかを知りません。知っているのは、同じ家に住んでいるあなただけです。
なぜ記録が「お金」に直結するのか
探偵の料金は、ほぼすべての事務所で調査時間に比例します。1時間あたりいくら、あるいは20時間で総額いくら、という形です。つまり、探偵が動いた時間だけお金が減っていく。証拠が取れたかどうかとは、直接には関係がありません。
ここに、依頼者にとって残酷な事実があります。浮気をしていない日に張り込んでも、調査時間は消費されるのです。対象者がまっすぐ帰宅して朝まで動かなかったとしても、その日の調査員2名分の稼働は請求されます。だからこそ「可能性が最も高い日」を狙い撃ちする必要があり、その日を特定できる情報を持っているのは、探偵ではなくあなたです。
図1:行動記録は「なんとなく安心するため」のものではありません。記録 → パターン特定 → 調査日の絞り込み → 調査時間の圧縮 → 費用減、という明確な因果でお金に直結します。この5段階のどこか1つでも欠けると、費用は下がりません。
02なぜ調査は空振りするのか——最大の原因は「調査日の選定ミス」
現役の探偵が口を揃えて指摘する、空振りの最大原因があります。それは「対象者の行動パターンを把握しないまま調査日を決めてしまうこと」です。尾行技術でも機材でも人数でもありません。いつ動くかを間違えているのです。
浮気相手と会うのは、週に1回かもしれないし、月に2回かもしれない。その日以外に張り込んでも、映るのは「まっすぐ帰宅する配偶者」の姿だけです。撮れた映像は完璧でも、証拠価値はゼロです。
空振りしても、時間は課金される
ここが料金体系のいちばん残酷なところです。探偵の契約は基本的に「調査行為に対する対価」であって、「証拠に対する対価」ではありません。調査員が指定された時刻に現場へ行き、対象者を追い、記録を取った時点で、業務は履行されています。
結果として何も起きなかった日でも、その日の稼働時間は消費されます。多くの依頼者が契約後に「そんなはずでは」と感じるのが、まさにこの部分です。証拠が取れないまま契約時間を使い切ってしまうケースについては、探偵に依頼しても証拠が取れない場合の不成功理由と返金の実際で詳しく整理しています。
「成功報酬型」でも安心はできない
「成功報酬型なら空振りしても払わなくていいのでは」と考える方は多いのですが、成功報酬型でも着手金や実費(交通費・車両費・機材費)は別途かかることが一般的です。しかも「成功」の定義次第で返金の有無は変わります。「対象者の行動を撮影した時点で成功」と定義されていれば、浮気の証拠が撮れなくても成功扱いになり得ます。契約前に必ず「あなたの事務所が言う成功とは、具体的に何が撮れた状態を指しますか」と確認してください。
図2:消費した調査時間はどちらも12時間で同じです。違うのは「いつ動いたか」だけ。この差を作れるのは探偵ではなく、同じ家に住んでいる依頼者だけです。なお、これは説明のためのモデルであり、実際に必ずこの通りになるとは限りません。
03探偵の料金は「時間」で決まる——だから狙う日を絞るほど安くなる
感情の話をいったん置いて、お金の話を冷たくします。ここを直視しないまま契約すると、後で必ず苦しくなるからです。
業界調査によれば、浮気調査の料金体系は調査員2名体制で1時間あたり1.5万〜2.5万円という時間制が全体の約64%を占めるとされています。尾行・張り込みは対象者を見失わないために最低2名が必要になるため、これが標準的な形です。
パックプラン(時間をまとめ買いする形)の目安は次の通りです。事務所・地域・難易度で変動しますので、あくまで目安として見てください。
| プラン | 総額の目安 | 1時間あたり換算 | この時間で何ができるか |
|---|---|---|---|
| 20時間パック | 35万〜50万円 | 約1.75万〜2.5万円 | 狙う日が絞れていれば十分に足りることがある。絞れていないと足りない |
| 30時間パック | 60万〜70万円 | 約2.0万〜2.3万円 | 行動パターンが不明確な場合に選ばれやすい帯 |
| 40時間パック | 80万〜90万円 | 約2.0万〜2.25万円 | 相手が警戒している・生活が不規則な場合 |
空振り1回で、いくら消えるのか
ここを実数で出します。ごまかしません。1回の張り込みを4時間、単価を1時間2万円(2名体制)と置くと、1回の調査で8万円が動きます。証拠が撮れても撮れなくても、です。
つまり、空振り3回で24万円が消える計算になります。20時間パック(35万〜50万円)のうち、実に12時間・過半に近い時間を、何も映らない夜に使い切ってしまうということです。そして残り8時間で決定的な瞬間を押さえられるかどうか、という苦しい勝負に入ります。
逆に言えば、記録によって「金曜の夜」に狙いを定められたなら、同じ20時間を金曜3〜4回分に集中投下できます。同じ金額で、当たる確率がまるで変わります。費用そのものを圧縮する方法は、浮気調査の費用が払えないときの分割・後払いと費用を半額にする方法でさらに詳しく扱っています。
図3:空振りは「運が悪かった」では済みません。時間単価で課金される以上、外した夜の分だけ、確実にお金が減ります。この棒グラフの長さが、そのままあなたの家計から出ていく金額です。
04記録すべき7項目

では、何を書けばいいのか。答えは7項目です。多すぎると続きません。少なすぎるとパターンが出ません。この7つが、実務上ちょうどいいバランスです。
05記録の付け方——スマホのメモでいい。ただし2つのルールを守る
道具は何でも構いません。手帳でも、スマホの標準メモアプリでも大丈夫です。ただし、守るべきルールが2つだけあります。この2つを外すと、1ヶ月分の記録がまるごと使い物にならなくなります。
ルール1:その日のうちに書く
人間の記憶は、驚くほど早く歪みます。3日後に「先週の火曜、何時に帰ってきたっけ」と思い出そうとすると、「遅かった気がする」という印象に引きずられます。そして、その印象は「浮気しているに違いない」という前提から逆算されて作られます。
歪んだ記録は役に立ちません。それどころか、間違った曜日に調査員を張り付かせて、あなたのお金を溶かします。その日のうちに、寝る前に、1分で書く。これだけを守ってください。
ルール2:推測ではなく、事実だけを書く
これが最も重要で、最も守られていないルールです。「今日は様子が怪しかった」「絶対に浮気している」「言い訳が不自然だった」——これらはすべて感想であって、事実ではありません。
正しくはこう書きます。「22時50分帰宅。ただいまと言わずに直行でシャワー。夕食は食べないと言った。上着は持たず、シャツのみ。」——読んだ人(探偵)が、あなたの感情を経由せずに、行動そのものを再構成できる状態です。
図4:左右で、書いた人の心の中身は同じです。違うのは書き方だけ。にもかかわらず、右の記録だけが調査日の決定に使え、左は探偵に渡しても「もう少し具体的にありますか」と返されて終わります。
06【重要】記録は「見つかっても言い訳できる形」で残す
ここは絶対に読み飛ばさないでください。記録をつけるということは、家庭内に「あなたが疑っている証拠」を作るということでもあります。それが相手の目に触れた瞬間、相手は警戒し、行動を止め、連絡手段を変え、会う場所を変えます。そして、調査の難易度は跳ね上がります。
避けるべき保存先
| 保存先 | リスク | 判定 |
|---|---|---|
| クラウドメモ(アカウント共有・同期あり) | 家族で同じアカウントを使っている、あるいは過去にログインさせた端末が残っていると、相手の端末に同期されて表示される | 避ける |
| 共有アルバム・共有フォルダ | 写真やメモを入れた瞬間に相手側へ通知が飛ぶことがある | 避ける |
| 家族共有のカレンダー・家計簿アプリ | 備考欄が相手からも見える。最も事故が多い | 避ける |
| 紙の手帳(自分のバッグの中) | 見つかるリスクは残るが、同期による自動流出はない | 条件付きで可 |
| 自分だけがロックを持つスマホの、同期していないメモ | 端末を渡さない限り見られない。実務上の現実解 | 推奨 |
「見つかっても言い訳できる形」とは
それでも、見つかる可能性はゼロにはなりません。だから、見つかったときに致命傷にならない書き方をしておきます。
具体的には、記録の中に「浮気」「探偵」「証拠」「離婚」といった単語を書かないことです。書くのは、帰宅時間と行動の事実だけ。そうしておけば、万一目に触れても「家計と生活リズムをメモしていた」「あなたの帰りが遅いから夕食をどうするか管理していた」という説明が成り立ちます。
逆に、「10/18 浮気の証拠? 探偵に相談する」などと書かれたメモが見つかったら、言い逃れは不可能です。相手は即座に態勢を変えます。依頼者自身の言動が原因で調査が相手にバレるパターンは実際に多く、その具体例は探偵の浮気調査が相手にバレる原因と失敗しない探偵の見極め方にまとめています。
071ヶ月でパターンが浮かび上がる——「怪しい曜日」の見つけ方

記録は、書いているうちは何も見えません。1日ずつの情報は、ただの断片だからです。変化が起きるのは、1ヶ月分を「週ごとに並べ直したとき」です。
やり方は簡単です。縦に第1週・第2週・第3週・第4週、横に月火水木金土日を並べた表を作り、そこに帰宅時間だけを書き込みます。これだけです。
図5:1日ずつ見ていたときには気づけなかったものが、並べた瞬間に立ち上がります。「なんとなく遅い日がある」が「金曜は例外なく23時以降」に変わる。この差が、調査日の決定を可能にします。※これは説明用のモデルであり、実際のパターンは人により異なります。
見るべきは「例外のなさ」
判定のポイントは、遅さの度合いではありません。その曜日に例外がないかどうかです。4週のうち4週とも遅い、というのは偶然では起きにくい現象です。仕事が忙しいだけなら、繁忙のない週も混じるはずだからです。同じ考え方で、「第2土曜だけ休日出勤」といった月の中での位置に紐づくパターンも探してください。
08パターンが出やすい日・出にくい日
1ヶ月の記録をつけながら、同時に意識しておくとよい「確率が高まる日」があります。人が浮気相手と会う日は、完全にランダムではありません。お金と時間と口実が揃う日に集中します。
確率が高まりやすい日
| 時期 | 理由 | 記録で見るポイント |
|---|---|---|
| 給料日後 | 可処分所得が増え、外食・宿泊のハードルが下がる | 給料日の直後の週末に、支出や帰宅時間の変化がないか |
| 金曜・週末 | 翌日が休みで、遅い帰宅の言い訳が立ちやすい | 金曜だけ突出して遅い、翌朝の起床が遅い |
| 連休の前後 | 「連休前の打ち上げ」「連休明けの残業」という口実が使える | 連休の直前・直後に「急な飲み会」が入る |
| 誕生日・記念日・クリスマス・年末年始 | 相手側が会いたがる。この日に家を空けるのは強いサイン | その日に限って出張・接待が入る |
| 相手(あなた)の予定が空く日 | あなたが実家に帰る日、出張の日、子どもの行事の日 | あなたの不在予定を伝えた直後の行動変化 |
特に注意して見てほしいのが最後の1行です。あなたが「その日は実家に泊まる」と伝えた直後に、相手の予定が急に埋まる——これは記録に残す価値が非常に高い動きです。相手はあなたの不在を計算して動いています。
正直に書きます:パターンが出ないケースもあります
1ヶ月記録しても、パターンがまったく浮かばないことがあります。この記事の主張に都合が悪くても、事実なので隠しません。
・浮気相手と会う頻度が月1回以下で、1ヶ月では回数が足りない
・すでに相手が警戒しており、意図的に行動を通常に戻している
・出張が多く、外泊そのものが日常になっている
こうしたケースでは、記録から曜日を絞ることはできません。ただし、記録が無駄になるわけではありません。「パターンがない」という事実そのものが、探偵にとっては重要な情報です。曜日で張れないなら、GPS的な手法ではなく複数日の連続調査や、出張日を狙う設計に切り替える判断ができるからです。
つまり、記録の価値は「怪しい曜日が見つかること」だけではありません。「どの手法が有効か」を探偵が判断するための材料になることにあります。何も持たずに相談に行くのと、1ヶ月分の帰宅時間表を持って行くのとでは、返ってくる提案の質が根本的に変わります。
ここまで読んで「一度、相談だけしてみようか」と感じたら
迷っている段階こそ、無料相談で「自分のケースで調査が成立するのか」「今は動くべきか待つべきか」を確かめる価値があります。全国対応・相談は何度でも無料で、契約の義務はありません。話を聞いて、持ち帰って、比較して構いません。
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09探偵に渡すべき情報リスト
1ヶ月の記録が溜まったら、いよいよ相談です。このとき、記録に加えて次の情報を揃えておくと、見積もりの精度が跳ね上がります。逆に、これらがないと探偵は「最悪のケース」を前提に見積もらざるを得ず、結果として提示額が高くなります。
| 渡す情報 | なぜ必要か | 費用への影響 |
|---|---|---|
| 対象者の氏名・年齢 | 基本情報。同姓同名の誤認を防ぐ | — |
| 顔写真(複数枚・全身が入るもの) | 調査員が対象者を確実に識別するため。人違いは致命的な失敗になる | 誤認による空振りを防ぐ |
| 勤務先の名称・所在地 | 張り込みの起点になる。ここから尾行が始まる | 探索時間の削減 |
| 通勤経路・よく使う駅 | 尾行の設計に直結する。乗り換え駅は見失いやすいポイント | ロスト(見失い)の防止 |
| 移動手段(電車/自家用車/自転車/社用車) | 必要な調査員数と車両数が変わる | 体制の適正化=単価に直結 |
| 車種・色・ナンバー | 車移動の場合、これがないと追跡の難易度が跳ね上がる | 調査時間の大幅削減 |
| 服装の傾向(スーツ/私服/制服) | 人混みでの識別に使う | ロストの防止 |
| 帰宅時間の1ヶ月記録 | 調査日の選定に直結する。この記事の核 | 空振りの回避=最大の削減効果 |
| 怪しい曜日・時間帯の仮説 | 調査日の第一候補になる | 調査時間の圧縮 |
| 休日の過ごし方・行動範囲 | 休日調査を組む場合の設計材料 | 張り込み場所の絞り込み |
この表を見て「そんなに用意できない」と感じても、心配は要りません。全部揃わなくても相談はできます。ただ、揃っている項目が多いほど、探偵は短い時間で結果を出す設計を組めます。それはそのまま、あなたが払う金額に跳ね返ります。
まず記録を1ヶ月つけ、そのうえで見積もりだけを取りに行く——この順番が最も損をしません。相談の場での聞き方や断り方については、探偵の無料相談は本当に無料か、勧誘されない相談の仕方で具体的に解説しています。
10やってはいけない「記録」の集め方

ここまで「記録しましょう」と繰り返してきましたが、やってはいけない集め方があります。踏み越えると、あなた自身が加害者になり、しかも集めた情報は証拠として使えなくなります。合法な記録と、違法になりうる収集。この境界線を、はっきり引いておきます。
図6:境界線はシンプルです。「相手が管理している領域(端末・アカウント・所有物)に無断で入ったか」。入っていなければ記録、入れば収集になります。個別の適法性は事案により異なるため、迷ったら弁護士に確認してください。
スマホ・SNSアカウントへの無断アクセス
配偶者のスマホやパソコンを勝手に見る行為は、不正アクセス禁止法違反やプライバシー侵害にあたるケースがあるとされています。特に、IDとパスワードを使って本人のアカウント(SNS・メール・クラウド)にログインする行為はリスクが高いと考えられています。「夫婦なのだから」という理屈は通りません。
さらに実務上の問題として、違法に取得された証拠は、裁判での証拠価値が下がる可能性があります。せっかく見つけたメッセージが取得方法を理由に評価を落とす。逆に、あなたのプライバシー侵害を相手側から主張される材料にもなり得ます。マッチングアプリの疑いからスマホを見たくなったときの法的リスクは、マッチングアプリで浮気を疑ったとき、スマホを見る前に知るべきことで詳しく整理しています。
相手の車に無断でGPSを取り付ける
2021年のストーカー規制法改正により、相手の承諾なくGPS機器を取り付けて位置情報を取得する行為が、規制の対象に含まれる方向で整理されています。「相手名義の車」に無断で取り付けるのは避けるべき行為です。
夫婦共有名義の車や、あなた名義の車の場合には評価が変わり得るとされますが、ここは個別性が非常に高い領域です。安易に判断せず、必ず弁護士または探偵業届出済の事業者に確認してください。
11記録の期間はどれくらいが適切か
結論から言えば、最低2週間、理想は1ヶ月です。理由は「週」という単位で規則性を見るためです。
1週間では、金曜が1回しか来ません。「たまたま忙しかった金曜」なのか「毎週の金曜」なのかを、区別しようがない。2週間で2回、4週間で4回。4回のうち4回とも遅ければ、それはもう偶然ではありません。
図7:長く記録するほど精度は上がりますが、待つことにもコストがあります。慰謝料請求の時効(不貞を知った時から3年とされます)も進みますし、何より、あなたの心が削られます。1ヶ月がバランス点です。
待たずに相談すべき「例外」
1ヶ月待つべきではないケースが、はっきりと存在します。相手が外泊・旅行を計画している兆候があるときです。
たとえば「来月、急に泊まりの出張が入ったと言われた」「連休に単独の予定が入った」「旅行用のバッグを準備していた」。こうした兆候は、証拠を取る最大のチャンスが近づいているサインでもあります。
宿泊を伴う外出は、ホテルへの入室と退出という「2点の記録」が最も取りやすい状況です。この機会を、記録の完成を待つために逃すのは明らかに損です。記録が2週間分しかなくても、その時点で相談してください。持っている分だけでも十分に役立ちます。
12記録シートのひな型
最後に、そのまま真似できる形を置いておきます。7列です。スマホのメモに、この見出しだけコピーして使ってください。表を作る必要すらありません。1行ずつ足していけば大丈夫です。
| 曜日 | 日付 | 帰宅時間 | 服装 | 機嫌 | 支出 | 備考(事実のみ) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 月 | 10/6 | 19:40 | 通常のスーツ | 普通 | — | 夕食は自宅。特記なし |
| 火 | 10/7 | 20:10 | 通常のスーツ | 普通 | コンビニ 480円 | 夕食は自宅 |
| 水 | 10/8 | 19:20 | 通常のスーツ | 良 | — | 夕食は自宅 |
| 木 | 10/9 | 20:50 | 通常のスーツ | 不機嫌 | — | 夕食は自宅。会話少ない |
| 金 | 10/10 | 23:10 | 新しいシャツ・香水 | 良 | カード 12,400円(飲食) | 夕食不要と連絡。帰宅後すぐシャワー。上着なし |
| 土 | 10/11 | 在宅 | — | 普通 | — | 終日在宅 |
| 日 | 10/12 | 在宅 | — | 普通 | — | 終日在宅 |
7列の書き方の要点
13記録を渡すだけでは足りない——「調査日」を契約書に書かせる
ここまで、1ヶ月かけて記録をつけ、曜日を縦読みし、怪しい日を絞り込む方法を書いてきました。ここで、この記事の最も重要なことを書きます。記録は、渡しただけでは効きません。
記録を渡す。探偵が「承知しました、参考にします」と言う。契約する。——ここまでは、多くの人が通る流れです。しかし、この流れには決定的な穴が空いています。渡した記録が、実際に調査日の決定に使われるという保証が、どこにもないのです。
「動かない日」を狙って張り込む、という手口
信じがたい話ですが、悪質な業者の中には、対象者が動かないと分かっている日を選んで張り込むところがあります。動かない日に張り込めば、当然、何も撮れません。それでも調査時間は消化され、料金は発生します。
なぜ、そんなことをするのか。理由は2つあると言われています。
実際に起きたこと
ところが、報告書に記載された調査実施日は、彼女が「動かない」と伝えていた日でした。初日は、夫が自宅に友人を招く予定が入っていた日曜日。それが分かっていながら、朝から夜まで長時間の張り込みが行われました。2日目も同様です。
結果、契約した20時間はすべて消化され、有益な情報はゼロ。報告書に残ったのは、自宅の外観写真と「対象者に動きなし」という文言だけでした。
この事例が恐ろしいのは、依頼者が何も怠っていないことです。彼女は情報を渡していました。動かない日まで伝えていました。それでも、記録は使われなかった。
あなたの記録は、「動かない日」も教えている
ここで、冷たい事実をひとつ書きます。あなたが1ヶ月かけて作った記録は、渡した瞬間に、業者にとって「動く日」だけでなく「動かない日」も分かる資料になります。
記録の価値は、両刃です。誠実な探偵にとっては、狙う日を絞り込むための地図になります。しかし悪質な業者にとっては、何も起きない日を確実に選ぶための地図にもなってしまう。同じ紙が、渡す相手によって、正反対の働きをするのです。
だからこそ、記録を渡すだけで終わってはいけません。その記録が、どう使われるかまでを、契約の一部にする必要があります。
対策:調査日を、契約書に明記させる
やることは、ひとつだけです。「どの日に調査するのか」を、契約書または重要事項説明書面に書かせてください。口約束では意味がありません。紙に落とすのです。
2. その日を選んだ理由を説明させる。「あなたが渡した記録のここを見て、この日を選びました」と言えるか。言えない業者は、記録を読んでいない。
3. 「動かないと分かっている日」も、明示的に伝えておく。伝えた事実が残っていれば、その日に調査されていた場合、異議を申し立てる根拠になる。
4. 報告書に調査実施日時が明記されるかを、契約前に確認する。日時が書かれない報告書では、いつ張ったのかを後から検証できない。
この4つを求めたとき、誠実な事務所は、まったく困りません。むしろ「そうしましょう」と応じます。調査日を書面で約束することは、記録を活かして短時間で成果を出す事務所にとって、何のリスクにもならないからです。
逆に、渋る事務所があります。「対象者の動きは読めないので、日程は当日の状況で判断させてください」——こういう返答が来ることがあります。これは一見もっともらしいのですが、あなたが1ヶ月かけて記録を作った意味を、根本から否定する言葉です。読めないから記録を作ったのではありません。読めるようにするために作ったのです。
これは、探偵にとって都合の悪い話です
正直に書きます。この節に書いたことは、探偵側の利益と、正面からぶつかります。
| 依頼者にとって | 探偵にとって |
|---|---|
| 記録を活かして狙い日を絞る → 短時間で終わる → 費用が下がる | 短時間で終わる → 売上が減る |
| 空振りする → 費用が無駄になる | 空振りする → 時間は消化される → 売上は立つ |
| 空振り後の延長 → さらに支出が増える | 空振り後の延長 → 追加契約になる |
この表を見れば、なぜ「調査日を契約書に書かせろ」と書いている探偵事務所のコラムがほとんど存在しないのか、その理由が分かります。自社の売上を下げる助言を、自社のサイトに書ける事業者はいません。これは誰かの悪意の話ではなく、単なる構造の話です。
だからこそ、あなた自身が知っておく必要があります。あなたの1ヶ月は、契約書の一行に落ちて、初めて費用に変わります。
14記録が武器になるのは、契約書に落ちたときだけ
この記事で伝えたかったことを、最後に一本の線につなぎ直します。行動記録は、それ単体では何の力も持ちません。力を持つのは、次の連鎖が最後までつながったときだけです。
1から2までは、あなた一人で完結します。4と5は、その結果として自動的についてきます。壊れやすいのは、3だけです。そして3は、あなたが要求しない限り、勝手には起きません。
見積書を受け取ったら、そこに調査実施日が書かれているかを確かめてください。書かれていなければ、書いてもらってください。それを渋られたら、その事務所は候補から外して構いません。1ヶ月分の記録を持っているあなたには、そう言うだけの根拠があります。
FAQよくある質問
記録が1ヶ月分たまったら、見積もりだけ取りに行ってください
1ヶ月分の帰宅時間表を持って相談すると、返ってくる見積もりの精度がまるで変わります。「この曜日を3回張れば足ります」という具体的な提案が出てくるからです。無料相談は、契約する場ではなく、あなたの記録がどれだけ調査時間を減らせるかを確かめる場だと考えてください。2〜3社に同じ資料を渡して、提示される時間数と根拠を比べるのが最も確実です。
無料相談してみる(24時間受付)相談は無料です。その場で契約する義務はありません。特定商取引法により、断った相手への再勧誘は禁止されています。
浮気を疑ったとき、人は「早く白黒つけたい」と思います。その気持ちは、当然のものです。ただ、その焦りに従って今日探偵に電話することが、あなたにとって最も高くつく選択になり得ます。
探偵の料金は調査時間で決まります。空振りした夜も、同じように課金されます。だから、狙う日を絞ることが、そのまま費用を下げることになります。そして、狙う日を絞れる情報を持っているのは、探偵ではなく、同じ家に住んでいるあなただけです。
- 空振りの最大原因は「行動パターンを把握しないまま調査日を決めること」
- 1回4時間・2万円換算なら、空振り1回で8万円、3回で24万円が消える(目安)
- 記録すべきは7項目。最優先は帰宅時間・服装の変化・休日出勤の申告
- その日のうちに、推測ではなく事実だけを書く
- 記録は「浮気」「探偵」と書かず、見つかっても言い訳できる形で残す
- スマホへの無断ログイン・無断のGPS設置は、法的リスクがあり証拠価値も下がる
- 最低2週間、理想は1ヶ月。ただし外泊の兆候があれば待たずに相談する
1ヶ月は長いです。何も動けない時間は、想像以上に心を削ります。それでも、その1ヶ月であなたが手に入れるのは、数十万円と、証拠が取れる確率です。今夜、寝る前に1行だけ書いてください。「22:50 帰宅、金」。それが、あなたの最初の一手です。そして1ヶ月後、その1枚を持って相談に行ってください。
探偵業法(警察庁)、国民生活センターの公表資料、裁判例および弁護士の公開解説を一次情報として確認しながら執筆しています。特定の探偵事務所からの依頼により記事内容を変更することはありません。本記事は情報提供を目的としたもので、法律相談・調査の受託ではありません。個別の判断は弁護士または探偵業届出済の事業者にご確認ください。

