探偵の無料相談、電話でもメールでも本当に無料?勧誘されない相談の仕方
「無料」と書いてあるけれど、話を聞いたら最後、契約するまで帰してもらえないのではないか。その不安のまま、指が電話番号の上で止まっている方へ。
探偵の無料相談は、原則として本当に無料です。電話・メール・LINE・面談のいずれでも、相談すること自体、見積もりを出してもらうこと自体に費用はかかりません。
ただし、無料の範囲は事務所ごとに違います。「相談」は無料でも、「事前調査」「予備調査」という名前がついた瞬間に有料になることがある。ここが最大の落とし穴です。
しつこい勧誘は、ゼロではありません。ただし特定商取引法により、はっきり断った相手への再勧誘は禁止されています。「必要ありません」と一言はっきり言えば、それ以上追う業者は法令違反の側に立ちます。
そして最も大事なこと。無料相談は「探偵に査定される場」ではなく、あなたが探偵を面接する場です。相談したからといって、依頼する義務は一切ありません。
電話番号は調べた。ホームページも読んだ。それでも、まだかけられない。──「無料相談」の4文字を信じきれないのは、あなたが臆病だからではありません。実際に、探偵業者をめぐる消費生活相談は10年で約6倍に増えています。警戒するのは、正しい感覚です。
この記事では、無料の境界線がどこにあるのか、勧誘は本当にあるのか、断りたいときに何と言えばいいのかを、法律と実際の相談現場の運用に沿って整理します。
- 「相談は無料」と「調査は有料」の境目が、具体的にどこに引かれているか
- 電話・メール・LINE・面談のうち、家族に知られたくない人が選ぶべき方法
- その場で契約を迫られたときに、法的に一番効く一言
- 結論:無料相談は本当に無料。ただし「無料の範囲」は事務所ごとに違う
- 無料なのはどこまでか——料金が発生する境界線
- 電話・メール・LINE・面談、4つの相談方法の違いと向き不向き
- なぜ探偵は無料で相談を受けられるのか
- 「しつこい勧誘」は実際にあるのか——相談件数は10年で約6倍
- その場で契約を迫られたときの、法的に正しい断り方
- 無料相談で必ず聞くべき10の質問
- 相談前に準備すると、見積もりの精度が跳ね上がる情報
- 無料相談でこう言われたら要注意——危険なサイン7つ
- 良い探偵は「依頼しないほうがいい場合」も教えてくれる
- 無料相談は2〜3社受けるのが基本
- 相談したら必ず依頼しなければいけない、ということは一切ない
- サインしてしまった後でも、8日以内なら戻れることがある——クーリング・オフ
- 名前を言わずに相談できます——匿名相談という選択肢
- よくある質問
- まとめ
[PR] 「読むより先に、相談先だけ知りたい」という方へ。全国対応の無料相談窓口で相談するのが最短です。相談・見積りは何度でも無料、その場で断ってかまいません。
01結論:無料相談は本当に無料。ただし「無料の範囲」は事務所ごとに違う

先に、いちばん知りたいことに答えます。探偵事務所の「無料相談」は、原則として本当に無料です。電話をかけて状況を話す、メールで質問する、事務所や喫茶店で1〜2時間話を聞いてもらう、その内容をもとに見積書を出してもらう。ここまでは、ほとんどの事務所で費用がかかりません。相談したのに後から請求書が届いた、という事態は通常起こりません。
なぜそう言い切れるのか。探偵業は、契約前に重要事項説明書面を交付して説明する義務を法律で負っています(探偵業法)。つまり、あなたが「これは契約だ」と認識できる書面を受け取り、内容の説明を受けないかぎり、調査契約は成立しません。書面もサインもないまま、話を聞いただけで料金が発生する──という構造そのものが、法の枠組みから外れています。
ただし、ここで安心して読むのをやめないでください。この記事で本当に伝えたいのは、「無料相談は無料です」という当たり前の話ではありません。問題は、無料の範囲が事務所ごとに違うこと。そして、その境界線が読者にはほとんど見えないことです。
「無料相談」という言葉が指す範囲は、実は3種類ある
同じ「無料相談」という看板でも、その中身は事務所によって次の3段階に分かれます。どこまでが無料かを、契約前に必ず確認する必要があります。
| タイプ | 無料でやってくれること | 注意点 |
|---|---|---|
| A:相談のみ無料 | 状況のヒアリング、一般的な説明、概算の提示 | 正式な見積書は面談後・有料調査後という場合がある |
| B:相談+見積もり無料 (最も一般的) | ヒアリング、調査プランの提案、総額の見積書の発行 | 見積もりの前提条件(何時間・何名・何日)を必ず確認 |
| C:相談+見積もり+簡易な下調べも無料 | Bに加え、対象者の生活圏の下見など軽度の確認 | 「どこまでが無料か」の線引きを口頭ではなく書面で確認 |
この記事は、相談の背中を押すためのものではありません。相談するかどうかを、あなた自身が判断できる材料を渡すためのものです。
02無料なのはどこまでか——料金が発生する境界線
ここが、この記事でいちばん重要なセクションです。無料相談をめぐるトラブルのほとんどは、「無料だと思っていたものが有料だった」という一点から生まれます。そして、その境界線にははっきりした名前がついています。
無料なのは「相談」。有料になるのは「調査」
切り分けはシンプルです。情報が一方通行であなたから探偵へ流れているあいだは無料。探偵が動いて情報を取りに行った瞬間から有料。この一本の線です。
あなたが話す、探偵が聞く、探偵が一般論を説明する、探偵が見積もりを出す。ここまでは探偵は「動いて」いません。だから無料でいられます。ところが、探偵が対象者の勤務先まで足を運んで様子を見る、車のナンバーを確認しに行く、といった行為が入った瞬間に、それは労務の提供になります。人が動けば人件費が発生する。これが有料化の実質的な理由です。
危険な言葉は「事前調査」「予備調査」「基礎調査」
問題は、この有料の行為に、無料相談とよく似た顔をした名前がついていることです。「事前調査」「予備調査」「基礎調査」「初期調査」。どれも「本番の調査ではない、その前段階の軽いもの」という響きを持っています。相談の延長のように聞こえます。
しかし、名前がどうであれ、探偵が動く以上それは調査です。事務所によっては数万円から十数万円の料金が設定されています。もちろん、事前調査そのものが悪いわけではありません。対象者の行動パターンを先に押さえておけば本調査の空振りが減り、結果的に総額が下がることもあります。問題は、それが有料であると明示されないまま流れで始まってしまうことです。
図1:無料と有料を分けるのは「探偵が動いたかどうか」。相談・見積もりまでは探偵は動いていないので無料でいられます。事前調査という名前がついた行為は、名称にかかわらず右側(有料)です。
確認すべきたった一つの質問
なお、見積額を見て「とても払えない」と感じたとしても、その時点で終わりではありません。調査時間そのものを削って総額を下げる方法や、支払い方法を分ける選択肢があります。金額の壁にぶつかった方は、浮気調査の費用が払えないときの分割・後払いと費用圧縮の方法を先に読んでから相談に臨むと、見積もりの受け止め方が変わります。
03電話・メール・LINE・面談、4つの相談方法の違いと向き不向き

「無料相談」と一口に言っても、入口は4つあります。そして、どれを選ぶかで得られる情報の質と家族に気づかれるリスクが大きく変わります。ここを何となく選んでいる方が非常に多いのですが、実は最初の分岐点です。
図2:4つの相談方法の比較。家族と同居していて絶対に知られたくない人は、まずLINEかメール。契約を本気で検討する段階になったら、必ず一度は面談で相手の顔と書面を確認してください。
電話:速いが、痕跡がいちばん残る
最も早く、最も情報の往復が濃いのが電話です。疑問をその場でぶつけられ、相手の説明の歯切れの良し悪しも声で分かります。一方で、着信・発信履歴がスマートフォンに残ります。事務所名を名乗る折り返しが来ることもあります。同居している相手にスマホを見られる可能性があるなら、履歴の削除だけでなく、そもそも電話を選ばないという判断もあり得ます。
メール:時間差はあるが、書面として残る
メールの最大の利点は、やり取りが文字として残ることです。「無料と言われた」「この金額と言われた」を後から証明できます。返信に半日〜1日かかるのが難点ですが、深夜に一人で気持ちを整理しながら書けるという意味でも、心理的な負担は最も軽い方法です。フリーメールで、本名を書かずに相談を始めても構いません。
LINE:秘匿性は最も高い。ただし通知設定を先に
同居中の相手に知られたくない場合、実務上いちばん現実的なのがLINEです。「探偵事務所」という単語がロック画面の通知に出てしまうリスクは、相談を始める前に通知をオフにすることで消せます。トークを非表示にする、通知内容をメッセージ非表示に変える、といった設定も先に済ませてください。順番が逆になると、最初の1通で終わります。
面談:契約前に一度は必ず
面談は、断りにくいという理由で避けられがちです。しかし、重要事項説明書面と契約書面を実際に手に取って読めるのは面談だけです。事務所に行くのが怖ければ、喫茶店やホテルのラウンジを指定して構いません。多くの事務所が出張面談に応じます。女性が一人で相談・面談する場合の安全確認については、女性が一人で探偵に相談・依頼するときに確認すべきポイントで詳しく整理しています。
04なぜ探偵は無料で相談を受けられるのか
「タダより高いものはない」と身構えている方に、探偵側の事情を説明します。仕組みが分かれば、必要以上に怖がらずに済みます。
理由1:相談は探偵にとってコストがほとんどかからない
浮気調査の総額は50万円前後が最頻値です(目安。事務所により異なります)。この単価に対して、1時間の電話相談にかかる人件費は微々たるものです。100件相談を受けて数件が契約になれば、事業として成立します。相談を無料にすることは、探偵にとって「安い広告費」なのです。慈善事業ではありませんが、罠でもありません。
理由2:無料相談は「調査が成立するかの査定」も兼ねている
ここが、あまり語られない本音の部分です。探偵は無料相談の場で、あなたの話を聞きながら同時にこう考えています。──この対象者は尾行可能な生活動線を持っているか。証拠が取れる見込みはどのくらいか。依頼者は費用を払えるか。トラブルになりそうな依頼者ではないか。
つまり、無料相談は相互の審査の場です。あなたが審査されているのと同じだけ、あなたも審査していい。この事実を知っているだけで、電話をかける手の重さは変わります。
図3:無料相談は、探偵があなたを査定する場であると同時に、あなたが探偵を面接する場です。上向きの矢印だけを意識してしまうと、必要以上に萎縮します。
理由3:断られる探偵のほうが、実は多い
立場を入れ替えてみてください。もしあなたが探偵で、無料相談を10件受けたとします。実際に契約になるのは、多くて2〜3件です。探偵の側も、大半の相談者に「選ばれない」ことを前提に動いています。断られ慣れている相手に、遠慮する必要はありません。
05「しつこい勧誘」は実際にあるのか——相談件数は10年で約6倍
ここまで「無料相談は安全です」という話をしてきましたが、都合の悪い数字も正直に出します。探偵業者に関する消費生活相談は、実際に急増しています。
国民生活センターに寄せられた探偵業者に関する消費生活相談は、2007年度の1,210件から、2014年度3,199件、2015年度4,308件、そして2016年度には7,660件へと増加したことが報じられています。約10年で6倍以上です。これは「探偵業界にトラブルは存在しない」という主張が成り立たないことを、はっきり示しています。
図4:探偵業者に関する消費生活相談件数の推移(国民生活センター/報道による公表数値)。増加の背景には、探偵業法の周知が進み相談窓口へ声が届くようになった面もありますが、いずれにせよ「警戒しなくてよい業界」ではありません。
相談の中身は「勧誘」より「契約後」に集中している
ただし、内訳を見ると景色が変わります。主な相談類型は「調査の内容が不十分だった」「高額な解約料を請求された」です。つまり、トラブルの大半は無料相談の段階ではなく、契約したあとに起きているということです。
特に深刻なのが解約をめぐる紛争です。キャンセルを伝えても「すでに調査を開始している」と主張され、実際には実施されていない部分についてまで高額な解約料を請求される──という事例が報告されています。契約書の解約条項を読まずにサインすることが、いかに危険かが分かります。
それでも勧誘の圧は、ゼロではない
正直に書きます。「今日決めていただければ」と条件を絡めて契約を急がせるパターンは、実際に存在します。ただし、これに対しては法律がはっきりした武器を用意しています。次のセクションで、その使い方を説明します。
06その場で契約を迫られたときの、法的に正しい断り方
断り方には、正解があります。しかも、多くの人が「感じよく断ろう」として、法的にいちばん弱い言葉を選んでしまっています。
最悪の返事は「検討します」
日本語の日常会話では、「検討します」はやんわりした拒絶です。ところが、勧誘の文脈ではまったく逆に機能します。「検討します」は、契約の意思を否定していないからです。相手からすれば「まだ迷っている=押せば決まる」というシグナルです。だから電話がかかってくる。だから追いLINEが来る。あなたの優しさが、そのまま勧誘の燃料になります。
同じ理由で、「持ち帰って家族と相談します」「もう少し考えます」「また連絡します」も、すべて再アプローチを正当化する余地を残す表現です。
正しい断り方:「必要ありません」「契約しません」
特定商取引法17条は、契約しない意思を示した相手に対する再勧誘を禁止しています。つまり、あなたが「契約しません」「必要ありません」と明確に伝えた瞬間から、その後の勧誘は法令違反の側に立ちます。ここで重要なのは、「契約しない意思を明確に示した」と言えるかどうかです。「検討します」では、この線を越えられません。
図5:同じ「断る」でも、言葉の選び方で法的な意味がまったく変わります。優しさから曖昧にすると、かえって勧誘が長引きます。冷たく聞こえても、はっきり言うほうが早く終わります。
その場で使える、そのまま読み上げていい台本
それでも勧誘が続いたら
明確に断ったにもかかわらず勧誘が続く場合、その事業者は法令を守っていないということです。やり取りの日時と内容をメモに残し、消費生活センターの相談窓口(局番なしの188)に相談してください。そして何より、そのような対応をする事務所とは、二度と関わらないという判断がそのまま正解です。
07無料相談で必ず聞くべき10の質問

ここからは実践編です。無料相談を「探偵を面接する場」として使うために、この10問を紙かスマホのメモに書き写してから電話をかけてください。声が震えても、読み上げるだけなら言えます。
相場を知っておくと、答えの妥当性が判断できる
見積もりの金額が高いのか安いのか、判断の物差しがなければ意味がありません。業界調査によると、調査員2名体制で1時間あたり1.5万〜2.5万円という設定が約64%を占めます。パック料金では20時間で35〜50万円、30時間で60〜70万円が一つの目安です。浮気調査の総額は50万円前後が最頻値とされています(いずれも目安。事務所・地域・対象者の行動により大きく変動します)。
08相談前に準備すると、見積もりの精度が跳ね上がる情報
無料相談で「だいたい50万円くらいですかね」という曖昧な答えしか返ってこないとき、それは探偵が不誠実なのではなく、あなたが渡した情報が足りないことが原因である場合があります。見積もりは、材料の質でしか精度が決まりません。
この4つを言えるだけで、見積もりは具体的になる
| 情報 | なぜ必要か | これが分かると |
|---|---|---|
| 対象者の勤務先・最寄り駅 | 張り込みの起点を決めるため | 調査員の配置と待機時間が確定する |
| いつもの帰宅時間と、遅い日の帰宅時間 | 「いつもと違う日」を特定するため | 調査日を絞れる=調査時間を削れる |
| 移動手段(電車・自家用車・社用車) | 尾行の方法と人員が変わるため | 車両代が必要かどうかが確定する |
| 怪しい曜日・時間帯のパターン | 空振りを防ぐ最大の要素 | 1回の調査で証拠に到達する確率が上がる |
特に重要なのが4番目です。浮気調査の空振りは、対象者の行動パターンを把握しないまま調査日を決めることから生まれます。「金曜の夜が怪しい」という1行の情報があるかないかで、調査時間が20時間から10時間に減ることもある。単価が2万円なら、それだけで20万円の差です。
逆に言えば、まだ何のパターンも掴めていない段階なら、相談だけしておいて、依頼は1ヶ月後にするという選択が合理的です。その1ヶ月で何をどう記録すればいいかは、探偵に依頼する前の行動記録の作り方にまとめています。この準備は、無料相談の質そのものを引き上げます。
メモの形式は問わない。ただし「日付」だけは必ず
手帳でも、スマホのメモでも、カレンダーアプリでも構いません。ただし、日付と時刻が入っていない記録は、探偵にとっても弁護士にとっても価値が大きく下がります。「先月あたり、何回か遅かった」より「6月13日・20日・27日、いずれも金曜、帰宅が23時過ぎ」のほうが、圧倒的に使えます。
ここまで読んで「一度、相談だけしてみようか」と感じたら
迷っている段階こそ、無料相談で「自分のケースで調査が成立するのか」「今は動くべきか待つべきか」を確かめる価値があります。全国対応・相談は何度でも無料で、契約の義務はありません。話を聞いて、持ち帰って、比較して構いません。
無料相談してみる(24時間受付)相談は無料です。その場で契約する義務はありません。特定商取引法により、断った相手への再勧誘は禁止されています。
09無料相談でこう言われたら要注意——危険なサイン7つ
無料相談は、あなたが探偵を見極める場です。ここでは、相談中に出てきたら警戒すべき7つの発言・対応を挙げます。1つでも当てはまったら、その場で契約せず、いったん持ち帰ってください。
これらのサインは、単独で見れば「たまたま感じが悪かっただけ」に見えることもあります。しかし、2つ以上重なったときは、ほぼ確実に何かがおかしいと考えてください。契約前の見分け方をさらに細かく確認したい方は、悪質な探偵の見分け方と探偵業法で確認できる7項目にチェックリストを用意しています。
10良い探偵は「依頼しないほうがいい場合」も教えてくれる

ここまで危険なサインを見てきました。では逆に、信頼できる事務所は無料相談で何を言うのか。答えは意外かもしれません。──「今は依頼しないほうがいい」と言います。
依頼を断られるケースは、実際にある
たとえば、次のような場合です。
| 状況 | 誠実な事務所の答え | 危険な事務所の答え |
|---|---|---|
| 行動パターンが全く掴めていない | まず1ヶ月記録してから依頼したほうが、費用が下がります | すぐ調査に入りましょう。証拠が消えます |
| 予算が20万円しかない | その予算だと調査時間が足りず、空振りの確率が高いです | 大丈夫です。何とかします |
| 証拠を取ったあとの目的が決まっていない | 離婚するのか、しないのか。先に決めてからでも遅くありません | とりあえず証拠だけ押さえておきましょう |
| 対象者が長期出張中で当面戻らない | 戻る時期に合わせて動くほうが効率的です | 今から張り込みましょう |
左と右の違いは、探偵の技術ではありません。売上を今すぐ立てにいくか、依頼者の結果を優先するかという姿勢の違いです。そして、この姿勢は無料相談の30分で、驚くほどはっきり表に出ます。
「今は時期じゃない」と言われたら、それは朗報です
相談して「今は依頼しないほうがいい」と言われると、突き放されたように感じるかもしれません。しかし、それは最良の答えの一つです。50万円を無駄にせずに済んだうえ、その事務所が売上より依頼者の利益を優先する運用をしていることまで分かった。あなたは無料相談だけで、二つの価値を得たことになります。
なお、正直な探偵に「その予算では厳しい」と言われた場合、そこで諦める必要はありません。調査時間を圧縮する、調査範囲を絞る、優先順位をつけるといった方法で、予算に寄せられる場合があります。生活費との折り合いに悩んでいる方は、子供がいて生活費が心配なときに調査費用をどう考えるかも併せて読んでみてください。
11無料相談は2〜3社受けるのが基本
この記事で、もし一つだけ持ち帰っていただけるなら、これを選んでください。──1社だけで決めない。
なぜ1社では判断できないのか
50万円前後の支出を、一つの見積書だけで判断するのは、相場感がないまま高額商品を買うのと同じです。2社目の見積もりを取った瞬間に、1社目の何が高くて何が安かったのかが、初めて見えます。比較対象がなければ、「妥当かどうか」という問いそのものが立てられません。
さらに、2〜3社に同じ質問をぶつけると、答えの違いが情報になります。たとえば「成功の定義」を聞いたとき、A社は「ホテルへの出入りの撮影」と答え、B社は「対象者と第三者の接触確認」と答えたとします。この差は、そのまま契約後の紛争リスクの差です。1社しか聞かなければ、この差は永久に見えません。
図6:無料相談を複数社受けるコストはゼロです。比較しないことで失うもの(数十万円の差、契約後の紛争リスク)のほうが、はるかに大きくなります。
断ることに罪悪感を持たなくていい
2〜3社に相談すれば、少なくとも1〜2社は断ることになります。親身に話を聞いてくれた相手を断るのは、気が重いものです。けれど、思い出してください。探偵の側は、相談の大半が契約にならないことを前提に事業を組み立てています。あなたが断ることは、彼らの日常業務の一部です。
罪悪感で50万円の判断を歪めるとしたら、その代償を払うのはあなた自身です。断る自由を確保したまま相談することが、無料相談の正しい使い方です。
12相談したら必ず依頼しなければいけない、ということは一切ない
最後に、この記事の出発点に戻ります。あなたが電話をかけられずにいる本当の理由は、料金ではないかもしれません。一度話してしまったら、もう引き返せなくなるのではないか——その恐れではないでしょうか。
引き返せます。何度でも。
相談は契約ではありません。見積もりを受け取ることも契約ではありません。契約が成立するのは、重要事項の説明を受け、契約書面を交付され、あなたが署名したときだけです。それまでは、いつでも、何の理由もなく、やめられます。
相談したのに依頼しなかったからといって、探偵から何かを請求されることはありません。相談内容が家族に伝わることもありません(探偵業法は、業務上知り得た秘密の保持を求めています)。あなたが失うものは、電話に使った30分だけです。
相談することで、得られるのは「情報」だけではない
相談した方が口にするのは、金額の話だけではありません。「一人で抱えていたものを、初めて声に出した」ということです。誰にも言えない状態が何ヶ月も続いていた人にとって、守秘義務を負ったプロに一度話すという行為そのものに、意味があります。
もちろん、探偵はカウンセラーではありません。ただ、「これは調査で解決する問題なのか、別の問題なのか」を切り分けるには、一度プロの目に晒す必要があります。その切り分けは、無料でできます。
・見積もりを受け取っても、契約義務は発生しません。
・「必要ありません」と言えば、再勧誘は法律で禁止されます。
・2〜3社に相談して、全部断っても構いません。
・「やっぱり今は動かない」という結論も、正しい結論です。
動くべき時期かどうかは、あなたにしか決められません。ただ、判断するための材料は、無料で手に入る。それだけが、この記事でお伝えしたかったことです。
13サインしてしまった後でも、8日以内なら戻れることがある——クーリング・オフ
ここまでは「契約する前に、どう身を守るか」の話でした。しかし現実には、その場の空気に押されて署名してしまう人がいます。帰り道で我に返り、「なぜ断れなかったのだろう」と自分を責めながら検索している人がいます。
その人に、まずこれだけを伝えます。署名した時点で、すべてが終わったわけではありません。探偵業の調査契約でも、条件によっては、あとから書面で解除できる場合があります。
実務上の分かれ目は「どこで契約したか」
探偵の調査は、特定商取引法が定める取引類型(訪問販売、特定継続的役務提供など)の対象になりうる役務です。法律上の整理は事案ごとに異なりますが、読者にとって実務上いちばん効いてくる分かれ目は、契約書に署名した「場所」です。
事業者の営業所等以外の場所で申し込みや契約をした場合、それは訪問販売等に該当しうる——つまりクーリング・オフの対象になりうる、ということです。訪問販売等にあたる契約では、法定の契約書面を受け取った日から起算して8日以内であれば、理由を問わず、書面(またはそれに準ずる方法)で契約を解除できるとされています。
「もう調査が始まったから無理です」と言われても
実際に多いのが、解除を申し出た依頼者に対して事業者が「すでに調査が稼働したので対応できません」と答えるケースです。しかし、国民生活センターのADR(和解の仲介)に持ち込まれた事案の中には、調査が稼働した後であってもクーリング・オフによる解除が認められ、既に支払った金額が全額返金される形で和解が成立した例が実在します(事業者名は伏せます)。
さらに、契約書面そのものに不備があった場合、8日間の起算日がまだ到来していないと判断されうるという論点もあります。実際のADR事案では、契約書に「クーリング・オフはできない」と記載されていた(=法律上必要な記載がなされていなかった)ことをもって、書面不備によるクーリング・オフが可能だと判断されたものがあります。契約日の誤記、調査内容や範囲の記載不足、依頼者名の記入漏れといった不備が指摘され、「今もなお解除が可能」とされた事案もあります。
なぜ、この話をどこの探偵サイトも書かないのか
この記事を書くにあたり、「探偵 無料相談」で上位に表示されるページを実際に読み込みました。クーリング・オフに一行でも触れているページはありましたが、「どこで契約したかで結論が変わる」「稼働後でも解除が成立した事案がある」「書面不備なら起算日が来ていない可能性がある」ところまで踏み込んだページは、ひとつもありませんでした。
理由は考えるまでもありません。上位に並ぶのは探偵事務所自身が運営するコラムだからです。自社の契約を取り消す方法を、自社のサイトに詳しく書く事業者はいません。これは誰かが悪いという話ではなく、構造上、そこには書かれない情報があるというだけのことです。だから、ここに書いています。
なお、探偵業者は、あなたの代理人として解約交渉や返金交渉を行うことはできません(国民生活センターも公式にそう回答しています)。「うちが話をつけます」という探偵の申し出は、その一点だけで警戒に値します。
最後に、大切な留保をひとつ。ここで書いたのは「対象になりうる」「認められた事案がある」という事実であって、「あなたも必ず解除できる」という約束ではありません。和解が成立した後も事業者が支払わなかった事案すら存在します。過度に期待せず、しかし諦めもせず、まずは契約書を手元に集めてください。個別の判断は、消費生活センター(188)または弁護士に確認してください。
14名前を言わずに相談できます——匿名相談という選択肢
相談をためらう理由として、料金の次に多いのが「名乗らなければならないこと」です。名前を告げた瞬間、自分の人生の一番柔らかいところが、知らない誰かの記録に残る——そう感じるなら、その感覚は正しいものです。無視しなくて構いません。
そのうえで、事実をお伝えします。多くの探偵事務所は、名前を名乗らない相談を受け付けています。「まず匿名でお話をうかがいます」と明記している事務所も少なくありません。名乗るかどうかは、あなたが決めてよいことです。
匿名のまま、どこまで進めるのか
結論から言うと、相談と、おおまかな見積もりの説明までは、匿名のままで成立します。探偵が知りたいのは、あなたの氏名ではなく「対象者の行動パターン」「証拠が取れそうな時間帯」「必要な調査時間」だからです。氏名がなくても、費用の見当はつけられます。
匿名でいられなくなるのは、正式に契約する段階です。探偵業法は、契約時に依頼者の本人確認と、調査結果を犯罪や違法行為に用いない旨の書面(誓約書)の取得を事業者に義務づけています。つまり「契約するなら名乗る必要がある。だが、契約しないなら名乗らなくていい」——この線引きが、法律上のものだということです。
・「先に費用の見当だけつけたいので、詳細は契約を決めてからにさせてください」
・「対象者の名前は、今はお伝えしません。行動パターンだけでお見積もりは出せますか」
この3つは、どれもごく普通の依頼者の言葉です。これを嫌がる、あるいは「名前を言わないなら答えられません」と押してくる事務所は、その一点で候補から外して構いません。
声に出せないことは、紙に書いて渡していい
面談の場で、どうしても口にできない言葉があります。相手の名前、行為の具体的な内容、自分が見てしまったもの。声にした瞬間に涙が出てしまう、という人は珍しくありません。
そういうときは、あらかじめ紙に書いて持っていき、黙って渡して構いません。「これを読んでください」と言えば、それで足ります。探偵はそれを読み、必要なことだけを質問します。あなたが声に出す必要はありません。メールやLINEでの相談を選べば、そもそも声を出さずに済みます。
相談は、感情を整理してから臨む必要のあるものではありません。整理できないまま持っていっていい場所です。むしろ、整理できていない状態のほうが、事実がそのまま伝わります。
連絡手段は、あなたが指定できます
「電話は困ります。日中は職場にいるので」「メールも困ります。共有のパソコンなので」——こうした事情は、遠慮なく最初に伝えてください。連絡手段の指定は、依頼者の当然の権利です。
| あなたの事情 | そのまま伝えてよい言葉 |
|---|---|
| 家族と同居していて、着信履歴を見られる | 「こちらから連絡します。そちらからの発信はしないでください」 |
| 日中は電話に出られない | 「連絡は◯時〜◯時の間だけにしてください」 |
| メールは共有端末で見られる可能性がある | 「連絡はLINEのみでお願いします」 |
| 郵送物が届くと家族に見られる | 「郵送は絶対にしないでください。書面は手渡しでお願いします」 |
| 相談したことすら知られたくない | 「会社名を名乗らずにかけてください」 |
表:連絡手段の指定は、相談の最初に伝えるのが最も確実です。伝えたのに守られなかった場合、その事務所とは契約しないという判断材料になります。
それでも足りなければ、相談しないという選択も、この上なく正しい選択です。今日は何もしない、という日があっていい。この記事は、いつでもここにあります。
FAQよくある質問
まだ依頼を決めなくて大丈夫です
無料相談は、探偵に査定される場ではなく、あなたが探偵を面接する場です。総額はいくらか、成功の定義は何か、届出番号はあるか。この記事の10の質問を手元に置いて、まず1社に聞いてみてください。話すだけで、次に何をすべきかが整理できます。契約しないと決めても、失うものは何もありません。
無料相談してみる(24時間受付)相談は無料です。その場で契約する義務はありません。特定商取引法により、断った相手への再勧誘は禁止されています。
探偵の無料相談は、電話でもメールでもLINEでも面談でも、原則として本当に無料です。相談・ヒアリング・見積もりまでは費用がかかりません。有料になるのは、探偵が実際に動いた瞬間から。「事前調査」「予備調査」という名前がついた行為は、名称にかかわらず有料になり得ます。ここだけは、相談の冒頭で必ず確認してください。
- 無料の範囲は事務所ごとに違う。「今日、料金が発生する可能性はありますか」と最初に聞く
- 家族に知られたくないならLINEかメール。ただし通知設定を先に変える
- 断るときは「検討します」ではなく「必要ありません」。特定商取引法で再勧誘は禁止される
- 「今日契約すれば割引」「必ず証拠が取れる」「総額を言わない」は危険なサイン
- 無料相談は2〜3社。比較のコストはゼロ。断ることに罪悪感はいらない
- 相談したからといって、依頼する義務は一切ない
探偵業者に関する消費生活相談は10年で約6倍に増えました。警戒するのは正しい感覚です。ただし、トラブルの大半は無料相談の段階ではなく、契約書を読まずにサインしたあとに起きています。無料相談は、恐れる場所ではなく、確かめる場所です。あなたが探偵を面接してください。合格する事務所が一つもなければ、それは相談が無駄だったのではなく、危険な契約を一つ回避したということです。
探偵業法(警察庁)、国民生活センターの公表資料、裁判例および弁護士の公開解説を一次情報として確認しながら執筆しています。特定の探偵事務所からの依頼により記事内容を変更することはありません。本記事は情報提供を目的としたもので、法律相談・調査の受託ではありません。個別の判断は弁護士または探偵業届出済の事業者にご確認ください。

